タブレットアプリなどでは、ダッシュボード的な機能が求められます。その際にはデータを一覧したり、円グラフや棒グラフなどさまざまなチャートでデータの可視化を行うでしょう。そのため、一つのグラフ表示だけでなく、多彩なグラフ表示に対応したライブラリが必要です。
今回はグラフ表示に便利なライブラリApache EChartsを紹介します。
基本的な使い方
まずHTML側の設定です。以下のようにスクリプトを読み込み、グラフを表示するための要素を用意します。以下の例の場合、 main
というIDの要素にグラフを表示します。
そして、JavaScript側でグラフを表示するためのデータを用意します。以下の例では、X軸に曜日、Y軸に数値を指定しています。そして、 type
を line
に指定しており、折れ線グラフを表示します。

グラフの種類
Apache EChartsはさまざまなグラフを表示することができます。以下のような種類があります。
- 折れ線グラフ
- 棒グラフ
- 円グラフ
- 散布図
- 効果散布図
- レーダーチャート
- ツリーマップ
- サンバースト
- ボックスプロット
- キャンドルスティック
- ヒートマップ
- マップ
- パラレル
- パイチャート
- サンキーダイアグラム
- ファネル
- ゲージ
- ピクトリアルバー
- テーマリバー

Examplesには実際に options に適用するデータ例も掲載されているので、参考にしてください。以下はエリアチャートの例です。

動的なデータの表示
Apache EChartsは動的なデータの表示にも対応しています。以下の例では、1秒ごとにランダムなデータを追加しています。追加するデータは myChart.setOption
で更新しています。

オプション
setOption(options)
にはさまざまなオプションが指定できます。 options
に指定できるオプションは以下の通りです。
オプション | 意味 |
---|---|
title |
グラフのタイトル |
legend |
凡例(データの種類を表示するエリア) |
grid |
グリッド(チャートの描画領域の設定) |
xAxis |
X軸の設定 |
yAxis |
Y軸の設定 |
polar |
極座標系の設定 |
radiusAxis |
極座標系における半径軸の設定 |
angleAxis |
極座標系における角度軸の設定 |
radar |
レーダーチャートの設定 |
dataZoom |
データズーム機能の設定(チャートの部分ズーム) |
visualMap |
ビジュアルマップ(データの視覚的マッピング) |
tooltip |
ツールチップ(データの詳細表示) |
axisPointer |
軸のポインター(カーソルが軸に沿って表示される線) |
toolbox |
ツールボックス(保存、リセットなどのツール) |
brush |
ブラシ選択(データの選択ツール) |
geo |
地図のジオグラフィック座標系の設定 |
parallel |
パラレル座標系の設定 |
parallelAxis |
パラレル座標系の軸の設定 |
singleAxis |
単一軸の設定 |
timeline |
タイムライン(時間軸アニメーションの設定) |
graphic |
グラフィック要素の描画 |
calendar |
カレンダー表示の設定 |
dataset |
データセットの設定 |
aria |
アクセシビリティ対応の設定 |
series |
シリーズデータの設定(チャートの種類やデータ) |
darkMode |
ダークモードの設定 |
color |
カラーパレットの設定 |
backgroundColor |
背景色の設定 |
textStyle |
テキストスタイルの設定 |
animation |
アニメーションの有効化 |
animationThreshold |
アニメーションの適用が省略されるデータ量の閾値 |
animationDuration |
アニメーションの実行時間 |
animationEasing |
アニメーションのイージング関数 |
animationDelay |
アニメーションの遅延時間 |
animationDurationUpdate |
更新時のアニメーション実行時間 |
animationEasingUpdate |
更新時のアニメーションのイージング関数 |
animationDelayUpdate |
更新時のアニメーション遅延時間 |
stateAnimation |
ステート間のアニメーション設定 |
blendMode |
ブレンドモードの設定 |
hoverLayerThreshold |
ホバーレイヤーが有効になるデータ量の閾値 |
useUTC |
UTC時間を使用するかどうか |
options |
マルチオプションの設定 |
media |
メディアクエリによるレスポンシブ設定 |
backgroundColor
を黒系(#000など)にすると、全体がダークモードとして表示されます。

まとめ
Apache EChartsは多彩なグラフ表示に対応しています。一度使い方を覚えてしまえば、さまざまなデータを可視化できます。ダッシュボードで利用したり、レポート機能などに組み込むと便利でしょう。また、CSSを設定することなく使えるのも便利です。
ぜひ、Apache EChartsを使ってみてください。