この記事シリーズでは、AWS AmplifyとMonacaを使用して、会員登録と認証機能を中心としたモバイルアプリの開発を行います。
記事は全部で3回に分けており、最終回になるこの記事では第1回と第2回で実装したMonacaアプリをデプロイし、実際にモバイル端末で動かす方法を紹介します。
今までの記事は下記リンクから確認ください。
■ AWS Amplifyを使って認証アプリを作ろう(AWS Amplify設定編)
https://press.monaca.io/hirose/21695
■ AWS Amplifyを使って認証アプリを作ろう(Monaca組み込み編)
https://press.monaca.io/hirose/21697
アプリのビルドとデプロイ
Monacaを使用したアプリのデプロイ
Monacaの環境を利用することで、アプリのビルドとデプロイを簡単に行うことができます。
アプリをMonacaのクラウドサービスにデプロイする際には、以下のコマンドを使用します。
monaca upload --delete --force
このコマンドは、ローカルでの変更をMonacaのクラウド環境に反映させます。--delete
オプションはクラウド上の古いファイルを削除し、--force
オプションはユーザーへの確認を求めずにアップロードを行います。これにより、アプリのビルドした状態を迅速にデプロイすることができます。
Monacaを使用したアプリのビルド
Monacaのクラウド環境にファイルをアップロードできたら、次はアプリのビルドを行いましょう。Androidアプリのビルドと端末へのインストール方法を紹介します。
- Monacaのログインページにアクセスし、アカウントでログインします。
- ダッシュボードのプロジェクト一覧から、ビルドしたいプロジェクトを選択します。
- 選択したプロジェクトの「クラウドIDEで開く」をクリックして、クラウドIDEを開きます。
- クラウドIDEのヘッダーメニューから「ビルド」を選択し、「Androidアプリのビルド」をクリックします。
- 「デバッグ向けビルド」タブを開き、「デバッグビルド」ボタンをクリックして、ビルドを開始します。
- ビルドが成功すると、表示されるQRコードをAndroid端末でスキャンし、apkファイルをダウンロードします。
- ダウンロードしたapkファイルを端末にインストールします。
アプリのビルドについての詳細は、下記のドキュメントを参照してください。
AWS Amplifyでのバックエンドリソースのデプロイ
今回のサンプルアプリでは、AWS Amplifyを介して主に認証サービスを利用しています。初期設定時に amplify push
を使用してバックエンドリソースをクラウドにデプロイしました。その後、AWS Amplifyのバックエンドリソースに対して追加の変更は行っていないため、再度デプロイする必要はありません。ただし、今後バックエンドに何か変更を加える場合は、変更内容をクラウドに反映させるために以下のコマンドを使用します。
amplify push
このコマンドは、ローカルで行った変更をAWSクラウドに反映させる際に使用します。これにより、バックエンドの認証サービスや他のリソースが最新の状態に保たれ、アプリケーションの正常な動作が確保されます。
動作確認
いよいよ実際にアプリを動かしてみましょう。以下の手順に従って、アプリの主要な機能をテストしましょう。
サインアップ
- メールアドレスとパスワードを入力して、「Sign Up」ボタンをタップしてください。
- その後、指定されたメールアドレスに確認コードが送信されるかを確認し、メールアドレスと確認コードを「Sign Up Confirmation」セクションに入力し、「Confirm」ボタンをタップします。
サインイン
- 正しいメールアドレスとパスワードを「Sign In」セクションの入力フォームに入力し、サインインできることを確認します。
パスワードリセット
- 「Password Reset」セクションにメールアドレスを入力し、「Reset Password」ボタンをタップします。
- メールで送信された確認コードを「Confirm Password Reset」セクションに入力し、新しいパスワードを設定できるかを確認します。
サインアウト
- サインインした状態で「Sign Out」ボタンをタップします。サインアウト後、画面の「SignIn Status」セクションの表示が「Not signed in」に変わることを確認します。
Amplify Studioで登録されたユーザーの確認
AWS Amplifyを使用して構築されたアプリにおいて、ユーザーが正しく登録されたかを確認することは重要です。
Amplify Studioを利用することで、アプリに登録されたユーザーの情報を簡単に見ることができます。
以下はその手順です。
Amplify Studioへのアクセス
- ブラウザでAWS Management Consoleにログインします。
- AWSのアカウントでログインします。
- AWS Management Console内で「Amplify」を検索し、開きます。
- Amplify Studioで作成したアプリのプロジェクトを選択します。
5.「Set up Amplify Studio」ボタンをクリックします。
6.「Enable Amplify Studio」 スイッチをOnに切り替えます。
7.Backend Envitonmentsに作成した環境が表示されるので、「URL」をクリックします。
8.Amplify Studioが表示されたら、メニューの「User management」をクリックします。
9.登録されたユーザーのリストが表示されます。ここから、各ユーザーの基本情報を確認できます。
Amplify Studioを使用することで、アプリのユーザー管理が簡単に行えます。これにより、アプリの管理者はユーザーの登録状況を容易に監視し、必要に応じて対応を行うことができます。
まとめ
この記事では、MonacaとAWS Amplifyを使ったモバイルアプリのビルド、デプロイ、そして実際の端末での動作確認のプロセスを説明しました。
AWS Amplifyは、認証サービスだけでなく、API、データベース、ストレージ、機械学習機能など、多くの追加機能を提供します。これらの機能を活用することで、アプリケーションをさらに強化し、多様なニーズに応えることが可能です。今回の記事を参考にしてAmplifyを使ったアプリの開発にチェレンジしてみてください。