Monaca UGは2017年からはじまり、すでに5都市(東京、大阪、大宮、岡山、札幌)と広がっています(ぜひ自分の地元でも!という方はSlackにご参加ください!)。

先日、2019年最初のイベントとなりますMonaca UG TOKYO #8が開催されましたのでイベントの様子をレポートします。

このようにManaca UGでは、Monacaに関連する勉強会などを定期的に行ってますので、興味を持った方は是非次回のイベントにご参加ください。各地のイベント日程は、Connpass内のMonaca UGのページでご案内してます。

25万DLを誇る速読アプリ瞬間速読 by youwhtさん

おそらくMonaca史上最大ダウンロード数を誇るであろう瞬間速読(iOS Android)のyouwhtさんのセッションです。速読のコツとして、視線を動かさずに読むのが大事とのことですが、文節ごとに区切った文字をどんどんスクロールさせることで、それを簡単に実践できるようにしたアプリが瞬間速読になります。

技術的にはこの文節の区切りが肝になります。ぱっと見て理解できて、長すぎても駄目、短すぎても駄目です。丁度よいところで切るのが胆です。この技術については、特許も申請中とのことです。本来は任意の文章で速読できるようにしたかったとのことですが、文節の区切りを完全自動化するのは難しく、青空文庫に特化して提供されています。しかし瞬間速読で慣れると、一般の紙の書籍などであっても速く読めるようになるそうです。

瞬間速読アプリではあらかじめ文節を区切った文字列をアプリ内部に組み込んでいます。サーバサイドからテキストを取得するようなこともありません。オフラインでも使えるのが魅力です。仕組みとしてはとてもシンプルで、テキストをHTML上に表示するのみです。

なお、元々はMonacaのFreeプランの範囲内で開発をしていたとのことです。後に、速読中に画面がロックされてしまうという問題を回避するためにプラグインが必要になり有料アカウントを契約したそうです。実際、それまでに10万DLは超えていたとのことなので、大規模になってもFreeプランで開発ができてしまうんですね。

「高度な技術を使ったアプリでなくとも良いのです。」というのがyouwhtさんの言葉です。確かにコードの複雑さ、技術的難度はアプリの価値とは直接的に関係しません。アイディアが素晴らしいものであれば、後はいかにそれを簡単に実現するかが肝です。その「簡単に実装するという点においてMonacaはとても良いソリューションです。」というのがyouwhtさんの締めでした。

ミャンマーNo.1レストランアプリyathar by ワールドストリート 内山さん

ミャンマーはアジア圏において堅調に成長している市場であり、可能性に富んでいるというのが内山さんのお話です。内山さんは、元々ミャンマーにゆかりがあった訳ではなく、ミャンマー市場の可能性を信じてレストランレビューアプリを提供しています。開発は半年、リリースして半年でミャンマーNo.1となっている驚きのアプリです。

ミャンマーは元々軍事政権だったのが近年民主化され、外資企業が参入できるようになりました。また、平均年齢が非常に若く、日本とは2倍近い開きがあります(ミャンマーは20代、日本は47歳)。スマートフォンの普及率は90%で、中国製のAndroid(Googleの認可を通っていないもの)がほとんどどだそうです。一方でそこで使えるアプリが多くないとのことで、ミャンマーへの進出を決めたそうです。

ミャンマーではまだ地方を中心に馬車が使われているそうですが、馬車の運転手はスマートフォンを使って予約を受け付けているそうです。「文明が200年くらい一気に飛んでいる。」というのが内山さんの言葉です。

yatharアプリはAndroidとiOS両OS向けに提供されており、サーバはLaravelで実装されています。日本の食べログやRettyに近いものですが、ミャンマーでは類似アプリは存在しないので高い注目を集めているそうです。

2017年1月から開発をはじめ、当初計画では一年以内にyatharをリリースしたいと考えていました。ミャンマーの法律上、スタートアップをはじめる上で500万円が必要な上、二年程度の運営費用として1000万円、ざっと考えて2000万円の投資は必要だろうと考えたそうです。その資金を投資家からお金を集めるためには、肝心のプロダクトの完成度だけでなく、それがいつ世の中に出せるのかが重要になります。その点において素早く開発、リリースできるMonacaが選ばれたそうです。元々内山さんはWebエンジニア出身であるのも大きな決め手でした。

Monacaの利点として「アプリ開発に不慣れだったエンジニアでも使えて、半年できちんと動くものがリリースできたというスピード感が良かったと」いう点を挙げ、「特に開発リソースが限られるスタートアップに向いている」と話されていました。ミャンマーは圧倒的にAndroid人口が多いそうですが、AndroidとiOS両プラットフォームに提供できるメリットも大きかったとのことです。

業界初のオープンキャンパスアプリ by ピープルソフトウェア 山本さん

ピープルソフトウェア社はMonacaアプリの開発受託を行っており、すでに二桁以上の開発実績があります。今回はその中から大学進学希望者向けのオープンキャンパスアプリ桜Campusの開発事例紹介でした。

若年層の人口が減少傾向にある中で、大学は学生に選ばれるにはどうしたら良いのかという問題に直面しています。資料請求をして、郵送で書類を送って…という従来のアナログなやり方から、桜Campusは、アプリを使ってOne to Oneマーケティングを実現するためのアプリです。元々は龍谷大学のスタッフの方から展示会で相談を受けたところからはじまったそうです。

クライアントがデザインへのこだわりが強かったため、デザイン会社を巻き込んだ開発プロジェクトになったそうです。アプリへの組み込みを低工数で行うために役割分担を明確にしたり、デザイン会社にAngularを覚えてもらったりと、プロジェクト進行上の苦労もあったそうです。実際にはギリギリになってデザイン修正も発生したとのことですが、それでも10以上の画面を二日間で修正することができたそうです。

桜Campusはプラットフォームであり、例えば龍谷大学進学希望者向けのru navi(iOS Android)で採用されています。2万人弱集まったイベントで利用され、ビーコンやスタンプラリー、チェックインなどの機能が盛り込まれています。多機能なアプリを短納期で仕上げたピープルソフトウェア社はさすがですね。

デザイン会社と連携したハイブリッドアプリ開発時は、貴重な経験値だと言えるでしょう。

Monacaソムリエ2018の発表!

Monacaソムリエとは、Monacaの普及に貢献した方たちを表彰し、エキスパートとして認定する制度です。2017年は3名でしたが、2018年は5名に拡大されました!

今回ソムリエに選ばれた方たちです。

  • バルテスモバイルテクノロジー 山下さん
  • akabeeさん
  • 松尾さん
  • TAM 菅家さん
  • rururu3さん

皆さん、Monaca UGであったりQiita、Teratailなどを通じてMonacaの普及に貢献いただいています。特に山下さん、akabeeさんは二年連続の受賞となっております。

2018年のMonacaソムリエについては、こちらの記事に詳細が紹介されていますので、併せてご覧ください。

Monacaソムリエは今年も予定されているとのことなので、今から発信やコミュニケーションを積極的に行っていると選ばれるかも知れませんよ!

まとめ

今回のMonaca UG TOKYO #8はアプリ事例を中心にお届けしました。Monaca UGでは毎回テーマは変えてイベント開催をしてますので、次回以降、興味あるテーマだった時にはぜひご参加ください。また、東京以外でも大阪、大宮、岡山、札幌と拠点があります。それ以外の場所にも拡大していきたいと思っていますので、UGをはじめてみたいという方はぜひご連絡ください。

UGはSlack上でコミュニケーションしています。Monacaを使っている人たちと繋がりたい、気になることがある方はぜひご参加ください!

公式サイト

connpass