前回は、MonacaクラウドIDEで提供しているバージョン管理機能を利用するための導入について説明しました。前回の記事につきましては、以下を参照してください。

今回は、MonacaクラウドIDEで提供しているバージョン管理機能の活用方法を説明したいと思います。MonacaクラウドIDEで提供しているバージョン管理機能は、メニューのプロジェクトから実行する事ができます。バージョン管理機能では、以下の機能を提供しています。

  • コミット
  • コミット履歴
  • ローカルの変更を破棄する
  • プル / マージ
  • マージを中止する
  • プッシュ
  • リモートのコミット履歴
  • バージョン管理設定

今回の説明では、GitHubと連携しているMonacaプロジェクトを例に説明しています。SSHで連携しているMonacaプロジェクトの場合も、基本的には、同じ操作になります。

コミット

コミットは、変更したファイル内容をGitに登録するための処理になります。コミットは、以降で説明するプル / マージプッシュを行う際に、事前に実行する必要のある処理になります。

コミットを行う場合は、変更内容のコメントを入力し、コミット対象のファイルにチェックを付けてコミットボタンをクリックすることで、変更内容をGitに登録する事ができます。

コミット履歴

コミット履歴では、コミットした変更内容を確認する事ができます。

ローカルの変更を破棄する

この処理では、最後のコミット以降に変更したファイル内容が破棄されます。破棄された内容は、元に戻す事ができなくなりますので、注意して使用してください。

プル / マージ

この処理は、接続されているリモートリポジトリの最新内容をMonacaクラウドIDE側のMonacaプロジェクトに反映させる処理になります。チームで対象のリモートリポジトリを使用して開発を行なっている場合や、MonacaクラウドIDE以外の環境で対象のリモートリポジトリのファイルを更新した場合は、プル / マージ処理を行うことで、MonacaクラウドIDE側のMonacaプロジェクトを最新の状態にする事ができます。

処理を行う場合は、プル元(リモート)項目で、対象のブランチを選択後、プルまたはプル & マージボタンをクリックします。


注意点として、この処理を行う場合は、事前にコミットを実行している必要があります。また、リモートリポジトリ側で修正されているファイルをMonacaクラウドIDE側のMonacaプロジェクト側でも修正しているような場合は、コンフリクトが発生します。


コンフリクトが発生した場合は、コンフリクト内容を修正し、コミットを実行しプッシュする必要があります。

マージを中止する

この処理は、プルやブランチを変更してマージを行なった際にコンフリクトが発生した場合、処理を中止して変更内容を戻す処理になります。コンフリクト対応を行わず、変更内容を戻したい場合は、この処理を実行してください。

プッシュ

プッシュは、MonacaクラウドIDE側のMonacaプロジェクトでコミットした内容をリモートリポジトリへ反映させる処理になります。プッシュを行う場合は、事前にコミットを実行している必要があります。プッシュボタンをクリックすることで、リモートリポジトリへプッシュする事ができます。

リモートのコミット履歴

リモートのコミット履歴は、GitHubのリモートリポジトリに反映されているコミット履歴を確認する事ができます。この機能は、GitHubと連携しているMonacaプロジェクトで利用できる機能になります。SSHで連携しているMonacaプロジェクトでは、利用できません。

バージョン管理設定

バージョン管理設定では、リモートリポジトリに複数のブランチが設定されている場合や対象のGitHubアカウントに複数のメールアドレスが登録されている場合、ブランチやコミッターメールアドレスを変更する事ができます。コミッター名を変更したい場合は、新しいコミッター名を入力することで、変更する事ができます。設定を変更した場合は、アップデートボタンをクリックすることで、設定を反映させる事ができます。

おわりに

2回にわたり、MonacaクラウドIDEでMonacaプロジェクトのバージョン管理を行うための導入と活用について説明しました。

MonacaでサポートしているGitについては、すでに利用されている方も多いと思います。MonacaクラウドIDEでは、GUIで機能を提供しているため、実行できないGitコマンドもありますが、Monacaプロジェクトを手軽にバージョン管理するための基本機能は用意されていますので、これまでMonacaプロジェクトのバージョン管理を行なっていなかった場合は、一度、MonacaクラウドIDEのバージョン管理機能を試してみてください。