MonacaクラウドIDEでは、Monacaプロジェクトのビルド処理の自動化やビルドで作成されたアプリの配信や配布処理の自動化を行えるCI(継続的インテグレーション)サービスを提供しています。Monaca CIを使用することで、開発を大幅に効率化する事ができます。今回は、Monaca CIの利用方法について説明していきたいと思います。

Monaca CIは、有料プランで利用できるサービスになります。

事前準備

Monaca CIを使用するためには、GitHubと連携し、GitHubリポジトリとMonacaプロジェクトを接続させる必要があります。GitHubとの連携やGitHubリポジトリとMonacaプロジェクトを接続させる方法については、以下を参照してください。

Monaca CIへのアクセス方法

Monaca CIを利用する場合は、MonacaクラウドIDEの以下のメニューからアクセスします。

  • 設定 > 継続的インテグレーション

GitHubとの連携、GitHubリポジトリとMonacaプロジェクトの接続が完了している場合は、以下の継続的インテグレーション画面が表示されます。継続的インテグレーション画面では、デフォルトの設定が1つ用意されています。

Monaca CIを有効にする

継続的インテグレーション画面に用意されている設定は、デフォルトでは、有効になっていません。Monaca CIを有効にする場合は、設定の編集ボタンをクリックして、CIを設定する画面を表示させます。トリガーイベント項目のGit Pushにチェックを入れ、保存ボタンをクリックすることで、有効にする事ができます。

Monaca CIの設定について

Monaca CI画面では、以下の項目を設定する事ができます。

  • ファイル名
  • ブランチ / タグ
  • トリガーイベント
  • フレームワーク
  • プラットフォーム
  • ビルド
  • デプロイメント

ファイル名

ファイル名は、システム側で固定になっています。そのため、標準設定のDefaultを指定します。

ブランチ / タグ

ブランチ / タグでは、Monaca CIで使用するGitHubのリモートリポジトリの対象ブランチまたはタグを指定します。指定方法は、preg_matchパターン形式で指定する必要があります。以下は、設定例になります。

  • /master/
  • /^dev_[a-z0-9_]*/i

トリガーイベント

トリガーイベントは、Monaca CIを有効にする場合にチェックします。Monaca CIでは、指定されたリモートブランチやタグにコミットがプッシュされた際に実行されます。

フレームワーク

Monaca CIがサポートしているフレームワークは、Cordovaになります。フレームワークには、Monacaプロジェクトに設定されているCordocaのバージョンが表示されます。

プラットフォーム

プラットフォームでは、Monaca CIがサポートしているプラットフォームが表示されます。表示されているプラットフォームに対してビルドを実行する事ができます。現在、Monaca CIでサポートしているプラットフォームは、以下になります。

  • Android
  • iOS

Monaca CIで実行したいビルドのプラットフォームにチェックを入れることで、ビルドを実行する事ができます。

ビルド

ビルドでは、実行するビルドタイプを指定する事ができます。現在サポートしているビルドタイプは、以下になります。

  • Android デバッグ / リリース
  • iOS デバッグ / リリース

Monaca CIでは、iOSのアドホックビルドとシミュレータービルドには、対応していません。

デプロイメント

デプロイメントでは、デプロイサービスを追加している場合、デプロイメントを追加ボタンをクリックすることで、デプロイサービスを追加する事ができます。

(スクリーンショット / デプロイメント)

デプロイメントにデプロイサービスを追加することで、ビルド後にデプロイサービスにアプリの配信を行う事ができます。

MonacaクラウドIDEでデプロイサービスを利用する方法については、以下を参照してください。

注意点として、Monaca CIでは、iOSシミュレータービルドには対応していないため、iOSデバッグビルドおよびiOSリリースビルドのアプリをAppetize.ioへ配信しても、Appetize.io上では、動作確認する事はできません。また、Firebaseへの配信は、PWAビルド専用になるため、Firebaseをデプロイメントに追加した場合は、エラーになります。

Monaca CIを実行する

Monaca CIを実行するには、MonacaクラウドIDEの以下のメニューからコミットを実行後、プッシュを実行します。

  • プロジェクト - コミット
  • プロジェクト - プッシュ

コミットやプッシュ方法については、以下を参照してくだださい。

Monaca CIが実行されている場合は、以下のメニューから実行結果を確認する事ができます。

  • ビルド - 継続的インテグレーション結果一覧

ログを表示ボタンをクリックすると、Monaca CIのログ画面が表示され、実行ログを確認する事ができます。

おわりに

今回は、Monaca CIの利用方法について説明しました。Monaca CIを利用することで、リモートリポジトリにプッシュすることで、ビルドからアプリの配布までを自動で行う事ができるため、アプリ開発を行う際の効率化を大幅にアップさせる事ができます。

これまで、CIを利用した事がなかった場合は、一度、Monaca CIを通して、アプリ開発の効率化を試してみてはいかがでしょうか。