毎年4月は、App Storeにアプリを提出するための要件が更新される月になります。App Storeへの提出要件につきましては、下記を参照してください。

2025年4月以降からは、App Storeに提出するiOSおよびiPadOS用アプリは、Xcode 16およびiOS 18 SDKでビルドする必要があります。

Monacaでは、Cordova 12用のMonacaプロジェクトから、Xcode 16.1.0に対応しています。Xcode 16.1.0の設定方法については、下記を参照してください。

これまでは、3月下旬頃に、下記のニュースサイトに要件の適用開始日についての案内が掲載されています。要件の適用開始日については、下記のニュースサイトも確認してみてください。

サードパーティー製Cordovaプラグインの注意点

Xcode 16系を使用するにあたり、Monacaプロジェクトにインポートされているサードパーティー製Cordovaプラグインが、Xcode16系の環境に対応していないためにビルドエラーが発生するケースがあります。その場合、現在使用しているバージョンより新しいバージョンが公開されている場合は、最新バージョンを試してみてください。

サードパーティー製Cordovaプラグインでライブラリーが設定されている場合、最新版では、ライブラリーのバージョンが更新されているケースがあります。CocoaPodsのライブラリーが使用されている場合、使用されているライブラリーによっては、利用できる最小OSバージョンが指定されています。

多く利用されているcordova-plugin-firebasexの最新版では、Xcode 16系でビルドする必要があります。cordova-plugin-firebasexで利用されているCocoaPodsのFirebase用ライブラリーでは、バージョンによって、利用できる最小OSバージョンが指定されています。Firebase用ライブラリーについては、以下を参照してください。

ライブラリーが利用できる最小OSバージョンに対応していない場合は、ビルドの際に、以下のようなエラーが発生します。

[!] CocoaPods could not find compatible versions for pod "FirebaseInAppMessaging":
  In Podfile:
    FirebaseInAppMessaging (= 11.5.0-beta)
Specs satisfying the FirebaseInAppMessaging (= 11.5.0-beta) dependency were found, but they required a higher minimum deployment target.

最小OSバージョンを変更する場合は、以下のようにconfig.xmldeployment-target設定を追加する事で対応できます。指定するバージョンについては、対象ライブラリーの要件にあわせて変更してください。

<platform name="ios">
  <preference name="deployment-target" value="13.0"/>
</platform>

App Storeにアプリを提出する際の注意点

App Storeにアプリを提出するためには、App Store Connectへアプリを登録して、対象バージョンのアプリ審査を行う必要があります。App Storeにアプリを提出するための要件が更新される直前に、現在の要件でアプリを公開したいような場合は、注意が必要です。

アプリの審査結果によっては、対象バージョンのアプリがリジェクト(却下)される場合があります。リジェクトされた場合は、リジェクトの内容にあわせてアプリの修正を行い、再度App Store Connectへ更新版のアプリを登録して、審査を行う必要があります。この対応の間に、App Storeにアプリを提出するための要件が更新されてしまった場合は、更新された要件にあわせて、再度アプリの修正が必要になります。

おわりに

App Storeにアプリを提出するための要件は、毎年更新されます。Xcodeのバージョンが更新された場合、これまで利用できていたCordovaプラグインやライブラリーの動作に問題が発生するケースがありますので、事前の動作確認が必要になります。

また、アプリの審査では、リジェクトされるケースもありますので、アプリのリリースに時間がかかるケースもあります。

アプリのリリースを行う場合は、事前の動作確認やリジェクトされる場合も想定してリリース計画を行いましょう。