はじめに
Monaca Barcode Scanner プラグインの最新バージョン 1.6.1 を公開しました。
今回のアップデートは、Google Play が新しく導入した 「16 KB ページサイズ要件」 への対応です。
「ページサイズって何?」「自分のアプリに関係あるの?」と思う方も多いはず。この記事では、その背景と影響、そして今回のアップデートの意義を解説します。
ページサイズとは?
アプリがメモリを使うとき、データは「ページ」という箱に分けられます。
- これまで:4 KB の箱が主流
- これから:16 KB の箱を使う機種が登場
もし「4 KB の箱」前提でライブラリが作られていたら、16 KB の環境では思わぬ不具合が出る可能性があります。
Google が要件化した理由
Google の公式ドキュメント【Android Developers】によると、16 KB ページサイズには以下のメリットがあります。
- 起動の高速化:ページ数が減るため、メモリ管理の負荷が減少
- 消費電力の低減:効率的なメモリ利用で省電力化
- 将来の標準化:メモリ大容量化に合わせた新しい前提
そのため 2025 年 11 月以降、Google Play に公開する新規アプリやアップデートはこの要件を満たす必要があります。
影響を受けるアプリは?
- Java/Kotlin だけで書かれたアプリ → 基本的には影響なし
- ネイティブライブラリ (.so ファイル) を含むアプリ → 要対応
バーコード読み取りのようにカメラや画像処理を行うプラグインは内部でネイティブコードを使うため、影響を受けやすいカテゴリに含まれます。
Monaca Barcode Scanner 1.6.1 の対応内容
今回の 1.6.1 では、内部のネイティブライブラリを再ビルドし、16 KB ページサイズ環境に対応しました。
これにより、開発者は 特別な変更をせずにプラグインをアップデートするだけで要件を満たせる ようになっています。
1.6.1 の主な改善点
- 16 KB ページサイズに対応したビルドへ更新
- 将来の Android 15+ デバイスでも安定動作
- Google Play の公開要件を満たすための準備が完了
既存プロジェクトを 1.6.1 に更新する方法
既に Monaca Barcode Scanner プラグインを利用している場合は、以下の手順で 1.6.1 にバージョンアップしてください。
- Monaca クラウド IDE で対象プロジェクトを開く
- 設定 → Cordovaプラグインの管理 を選択
- 「Barcode Scanner」プラグインを見つける
- バージョンを 1.6.1 に変更して保存
- 再ビルドしてアプリを確認
※ 特別なコード修正は不要です。プラグインの更新だけで対応できます。
開発者が取るべきステップ
Google は開発者に次の手順を推奨しています。
-
自分のアプリに .so ファイルがあるか確認
→ Android Studio の Analyze APK ツールでチェック -
NDK・SDK を最新化してビルド
→ Android NDK r23 以降を推奨 -
Android 15 エミュレータでテスト
→ 16 KB ページサイズ対応環境での動作を確認
まとめ
- Google Play は 16 KB ページサイズ対応を必須化(2025 年 11 月以降)
- ネイティブライブラリを含むアプリは特に要注意
- Monaca Barcode Scanner 1.6.1 でこの要件に対応済み
- 既存ユーザーは Monaca クラウド IDE からバージョンを更新するだけで対応可能