Monacaでは、MonacaクラウドIDE上でMonacaプロジェクトのソースコードを共有できる機能を提供しています。この共有機能を利用することで、複数のMonacaアカウントで同じMonacaプロジェクトの共同開発を行うことができます。

今回は、MonacaクラウドIDEで提供している共有機能について説明していきたいと思います。

共有機能のすべての機能を利用する場合は、BusinessプランまたはEnterpriseプランが必要になります。

共有機能について

MonacaクラウドIDEで提供している共有機能では、Monacaプロジェクトのソースコードを共有することができます。

Monacaプロジェクトを共有して開発を行う場合、複数のMonacaアカウントで同じソースコードを編集して保存した場合は、最後に保存された内容が反映されます。そのため、プロジェクトを共有して開発を行う場合は、編集するソースコードを分担して開発を行う必要があります。

共有機能では、ソースコードのバージョン管理機能はないため、ソースコードのバージョン管理を行いたい場合は、Monacaで提供しているバージョン管理機能を使用して、Monacaプロジェクトを共有してください。Monacaで提供しているバージョン管理機能については、以下を参照してください。

Monacaで提供しているバージョン管理機能を設定しているMonacaプロジェクトを共有した場合、バージョン管理機能を利用できるのは、バージョン管理機能を設定している共有元のMonacaアカウントのみになります。共有先のMonacaアカウントからは、バージョン管理機能は利用できません。

Monacaで提供しているバージョン管理機能を設定しているMonacaプロジェクトを共有した場合は、バージョン管理が複雑になります。Monacaで提供しているバージョン管理機能を使用している場合は、バージョン管理機能で設定している Gitサービス方でMonacaプロジェクトを共有することをおすすめします。

ビルドについて

MonacaクラウドIDEで提供している共有機能は、ソースコードを共有する機能になります。Androidリリースビルドに必要なキーストアや、iOSビルドで必要な証明書やプロビジョニングプロファイルは、Monacaアカウントに紐付いているファイルになるため、プロジェクトを共有しても、共有元のMonacaアカウントに紐づいているキーストアや証明書、プロビジョニングプロファイルを共有先のMonacaアカウントで利用することは、できません。

共有プロジェクトを共有先のMonacaアカウントでビルドする場合は、共有元のMonacaアカウントで使用しているキーストアや鍵付き証明書、プロビジョニングプロファイルをエクスポートして、共有先のMonacaアカウントを使用している開発者へ提供し、提供されたファイルを共有先のMonacaアカウントにインポートする必要があります。

Androidリリースビルドに必要なキーストアのエクスポートは、MonacaクラウドIDEのメニュー、

  • 設定 - Androidキーストア設定 - キーストアのインポートとエクスポート - エクスポート

から行うことができます。

iOSビルドに必要な鍵付き証明書やプロビジョニングプロファイルのエクスポートは、MonacaクラウドIDEのメニュー、

  • 設定 - iOSビルド設定 - Monacaに登録された証明書 - 証明書 - 証明書のエクスポートボタン
  • 設定 - iOSビルド設定 - Monacaに登録された証明書 - プロファイル - プロビジョニングプロファイルのエクスポートボタン

から行うことができます。

Androidリリースビルドに必要なキーストアのインポートは、MonacaクラウドIDEのメニュー、

  • 設定 - Androidキーストア設定 - キーストアのインポートとエクスポート - インポート

から行うことができます。

iOSビルドに必要な鍵付き証明書やプロビジョニングプロファイルのインポートは、MonacaクラウドIDEのメニュー、

  • 設定 - iOSビルド設定 - 発行された証明書を登録する - 秘密鍵と証明書のインポート - インポート
  • 設定 - iOSビルド設定 - 発行された証明書を登録する - 証明書とプロファイル - プロファイルのアップロード

から行うことができます。

共有方法

Monacaプロジェクトの共有は、MonacaクラウドIDEのメニュー、

  • プロジェクト - 共有

から、対象のMonacaアカウントを招待する形で行います。ユーザーを招待する項目にあるメールアドアレスを入力してくださいボタンをクリックすると設定項目が表示されます。設定項目は、以下になります。

  • ユーザーを招待する
  • 権限:
  • 通知メールを送信する:

ユーザーを招待する

共有するMonacaアカウントのメールアドレスを設定します。複数のMonacaアカウントを招待する場合は、1行に1メールアドレスを入力する形で行います。複数のMonacaアカウントを招待する場合、異なる権限のMonacaアカウントを入力することは、できません。

権限

招待するMonacaアカウントに開発者またはテスター権限を設定します。

開発者の権限は、BusinessプランまたはEnterpriseプランのライセンスが割り当てられたMonacaアカウントに対して設定することができます。開発者の場合は、共有されたMonacaプロジェクトをMonacaクラウドIDEから開く権限が与えられ、MonacaクラウドIDE上で開発を行うことができます。

テスターの権限は、FreeプランまたはProプランのMonacaアカウントに設定することができます。テスターの場合は、共有されたMonacaプロジェクトをMonacaクラウドIDEで開くことはできず、Monacaデバッガー上で対象のMonacaプロジェクトを開き、動作を確認することができます。BusinessプランまたはEnterpriseプランの場合でもテスターに設定することは、可能です。

通知メールを送信する

招待したMonacaアカウントのメールアドレスへ、プロジェクトに招待された旨の通知メールが送信されます。

共有を解除する

共有を解除する場合は、プロジェクトの共有画面で、共有しているMonacaアカウントのXボタンをクリックし、OKボタンをクリックします。

共有の解除は、MonacaクラウドIDEのMonaca Dashboardに表示されている共有プロジェクトを選択し、

  • プロジェクト - 共有 - プロジェクト共有 - 無効 または 削除

からも行うことができます。

おわりに

今回は、MonacaクラウドIDEで提供している共有機能を利用するための基礎知識について説明しました。MonacaクラウドIDEで提供している共有機能は、Monacaプロジェクトのソースコードを共有するための機能になります。バージョン管理等の高度な機能は利用できませんが、手軽にMonacaプロジェクトのソースコードを共有し、複数人で共同開発を行うことができますので、これまで、共同開発を行ったことがないような場合は、一度、MonacaクラウドIDEの共有機能を試してみてはいかがでしょうか。次回は、共有機能の活用について説明していきたいと思います。