昨今、注目が集まっているAR/VR。AR(拡張現実)はスマートフォンのカメラさえあれば実現できますし、VR(仮想現実)も安価なVRグラスが多数登場してきたことで、誰でも気軽に試すことができるようになりました。

Monaca UG OSAKA #2ではそんなAR/VR技術をテーマにイベントを行いました!

Monacaソムリエが登場

Monacaの達人である証とも言えるMonacaソムリエ。全Monacaユーザー20万人中、ソムリエは3人しかいないのですが、そのうちの2人、akabeeさんと山下さんが同会場にいました。ソムリエが関西圏にお2人もいるということは、実は関西は日本で一番Monacaに対する熱量が高い地域なのかも知れません!

ソムリエには専用ネクタイが進呈されているそうです。

Wikitudeを使ったMonaca ARアプリについて by MOONGIFT 中津川篤司さん

WikitudeはHTML5/JavaScriptを使ったAR技術になります。各種プラットフォーム(Corodva/Unity/iOS/Androidなど)向けにSDKが提供されていますが、すべてHTML5/JavaScriptをラッピングした形になっています。そのためCordova/Monacaとの相性はとても良いです。

サポートしているAR技術は画像認識、ロケーション、物体認識、インスタントトラッキングの四種類になります。画像認識はQRコードやマーカーといった物体を認識してARオブジェクトを表示する技術です。ロケーションは位置情報に応じてオブジェクトを表示する技術で、昔流行ったセカイカメラがよく知られています。物体認識は物体を動画で撮影する認識方法で、カメラを動かしていても認識し続けることができます。インスタントトラッキングはマーカーレスARとも呼ばれる技術で、部屋空間を認識してその平面などにオブジェクトを表示します。

マーカーレスARとしてはAppleがリリースしたARKitが知られていますが、WikitudeはARKitとAndroid向けのAR Core、そして独自のSLAMと呼ばれる技術を統合しています。つまりWikitudeを使うことでARKit/AR Core/SLAMを統合してシームレスに扱えるようになります。

認識するデータはWikitudeのクラウド上で作成します。表示できるのは3Dモデル、ボタン、HTML、動画、画像となっています。

Wikitudeは有料のソフトウェアになりますが、ARコンテンツをMonacaアプリに組み込む際には便利なのではないでしょうか。

MonacaxVRで楽しもう!~3D/VRの基本も楽しく教えます。~ by バルテス・テクノロジー 山下さん

今日はVRの基本について解説します。VRはVirtual Reality(仮想現実)のことで、他にもAR(Augmented Reality:拡張現実)やMR(Mixed Reality:複合現実)といった技術もあります。VR技術は実は1940年くらいには存在していました。さらに実用化も最近の話ではなく、1980年代には始まっていました。この時は軍事目的やNASAで宇宙飛行士の訓練のために利用されていました。

VRを理解するために欠かせない考え方に立体視があります。立体視には平行法と交差法の二つがあります。やり方の違いはありますが、どちらも視差を使って平面のものを立体的に見せているという点は変わりません。立体視自体は1980年代にはすでに商用利用されていて、東京ディズニーランドのアトラクションにも取り入れられていました。

人間が右目で見ている景色と左目で見ている景色には若干の差があります。この差を脳で認識することによって奥行きを感じることができます。これが立体視の原理です。つまり平面のデジタル情報を特殊な見せ方やVRグラスを通じて脳に錯覚を起こさせることで、立体視を実現しています。

MonacaでVRを実装するには3つの方法があります。Three.js / A-Frame / Solufa を使う方法です。Three.jsはWebGLをラッピングしたJavaScriptライブラリです。A-FrameやSolufaはそのThree.jsをさらにラッピングしたライブラリになります。

デモレベルのアプリであれば簡単に実装できますが、実用的なレベルになると数学的な知識が必要になります。例えば3D空間座標、ベクトル、法線、三角関数、代数幾何学などが挙げられます。またOpenGLの知識も必要になります。ただ、Monacaを使うことで検証はとても簡単にできます。

超簡単!VRアプリ作成ツール「InstaVR」のご紹介 by Too 岸本さん

InstaVR はクラウド上でVRコンテンツを作成できるサービスです。OculusやGear VRといったVRグラス向けコンテンツはもちろんのこと、WebVRとしても出力できます。

InstaVRはサンリオピューロランドの中でも使われているそうです。デモでは不動産サイトでの使用例が紹介され、VRコンテンツの中を動き回りながら物件の説明が見られるようになっていました。

360度動画をあらかじめ撮影しておく必要がありますが、素材さえ用意できればクラウド上で簡単にVRコンテンツを作成できるのでとても便利です。WebVRとして出力すればMonacaアプリ化も可能です。


この後、懇親会が開かれました。LTではMonacaのアップデート情報に加え、フジテックさんのアプリ開発事例などが紹介されました。AR/VRはハードウェアが揃ってきて、そろそろ本格的に立ち上げられる段階になってきています。ぜひMonacaでVR/ARアプリの開発に取り組んでみてください!

Monaca UG OSAKAは次回、5月末頃の開催を予定しています。興味のある方はぜひご参加ください!また、大阪に限らず東京、岡山、大宮などでも支部が立ち上がっています。皆さんの地域でもMonaca UGを立ち上げてみませんか?

Monaca UG